石苔亭いしだの玄関を入ると、総檜の能舞台が屋内庭園の向こうにひろがります。謡曲の「木賊(とくさ)]の園原にちなんで、旅人の宿をしながら別れた愛児の訪れを待つ木賊刈り翁のようにやすらぎの隠れ家を設えています。
部屋食希望の場合は予約が必要です。薄紫、白地、濃淡の緑や薄紅に源氏系図模様をあしらった浴衣から好みのものを選び、石畳の回廊を歩むとそこは王朝ロマンの世界です。
石苔亭いしだの平屋造りは、茶室を除けば純粋な数奇屋造りではない。格(ごう)天井あり源氏堀ありで、書院造りの格調と寝殿造りの優美さ、数奇屋造りの酒脱とモダンがあいまって不思議な魅力を醸し出す。